マンモスの化石から採取した筋肉組織を近大に持ち帰ったのは2012年。教員たちの専門技術を結集し、取り出したマンモスのDNAをマウスの卵子に注入。試行錯誤を繰り返し、2019年には細胞分裂直前まで進ませることに成功し世界を驚かせました。これからも遺伝子工学や細胞工学を駆使して研究は続きます。

バクテリオファージ（ファージ）はウイルスの一種。細菌に感染すると増殖し、細菌の細胞を破壊します。この性質を応用すれば、食中毒原因菌であるカンピロバクター菌を制御することが可能になるのではないか。様々なサンプルを採取し、調査するその先に、食中毒の心配のない未来を見据えています。

神経細胞のネットワークを行き交う神経情報。私たちの認知システムは膨大な神経情報を解釈して周辺の状況を把握し、適切な行動を選択しています。その過程で「心」が生成されるのでしょう。脳機能計測、視線の分析、人工知能による認知機能の再現など多様なアプローチで心のメカニズム解明に取り組んでいます。

コンピュータを駆使して環境・植物・経営の多種多様な情報を活用し、美味しく、安全で、価値の高い植物を生産できるスマート施設園芸が注目されています。少子高齢化・気候変動が進む未来も見据え、ハウスや温室を巧みに制御して、食料を安定供給できる技術を研究開発しています。

心臓に代わって全身の血液を循環させる人工心肺システムは究極の生命維持管理システムです。本学ではそのシミュレーション教授システムを研究開発。体外循環シミュレータを使用して実際に手術しているかのようにリアルな体験下で修練することで技術習得が期待できます。

スマホの使いやすさを高める研究プロジェクトを進行中。使用時の保持姿勢や指の動きをモーションキャプチャシステムで計測しデジタルヒューマンで解析。3Dプリンタでスマホアクセサリを製作して使いやすさを追究しています。さらに、住宅や家電、日用品等のユニバーサルデザインに取り組んでいます。