ここがすごい!生命情報工学科の3つの「R」

Research「最新研究成果」

 生命情報工学科は、生命や生体のシステムを理解し、生命や生体のためのシステムの創造を目指す学科です。
 昨年の12月から今年の1月にかけて、研究成果2件が相次いで新聞報道されました。一つは、かるた競技中の選手の脳活動を計測した研究です。読みあげられた句に対して、下の句を判断する頃に、選手の前頭連合野の緊張がピークに達することが明らかとなりました。脳の情報処理システムの動的な機能を捕らえた研究です。
 もう一件は、「妊婦見守りシステム」開発に関する研究です。妊婦の腹部に装着した電極により、妊婦と胎児の心臓の鼓動を電気信号として検出し、インタネットを介して常時病院に送信します。病院では、送られてきた信号に対して統計的な処理を施し、妊婦由来と胎児由来の信号を分離します。得られた信号に基づいて、医師が異常の有無や出産間近かどうか等の診断をします。まさに生命のためのシステム開発といえる研究です。
 その他にも、例えば、我々が気配を察知するのと同様に、音の反射を利用して相手の居場所を特定するシステムや、視覚の仕組みの解明を目的に、何かを見ている時の視線の移動を再現する脳の情報処理モデル、生体が作り出すさまざまなリズムを数学的に捕らえる研究など、生物を巨視的に理解するためのさまざまな研究に取り組んでいます。
 さらに、情報科学的な手法により遺伝子情報を読み解くバイオインフォマティクス研究や、さまざまな環境下における分子レベルでの生物の振る舞いを計算機上に再現するなど、生物を微視的に捕らえるための研究も行っています。

Resolution「教育設備」

 ミクロや生命情報からマクロな生体システムまで、生物の統合的な理解を目指す生命情報工学科には、脳波計、心電図計、連続血圧計、眼球運動計測器、電気生理学実験装置など、さまざまな生体情報を計測するための計器類を一堂に集めた「脳・神経システム実験室」があります。学生達は、自分の身体から発せられる信号が、計測条件を変えるたびに変化する様子を観察することで、動的なシステムとしての生体の不思議に触れることができ、学びの意欲の養成につながります。
 さらに、来年度からは「分子シミュレーション実験室(仮)」を立ち上げます。生物分子の機能は、構造だけで決定されるわけではなく、ダイナミックな力学的変化にも依存していますが、実際に計測することは極めて困難です。もはや生命システムを理解するためには、コンピュータシミュレーション技術は欠かせません。学生諸君がコンピュータ・シミュレーション技術に直に触れることで、ミクロな生命システムのメカニズムへの興味の喚起が期待されます。

Revolution「研究と教育」

 学生達に4年間の大学生活を有意義に過ごしてもらうためには、入学と同時に学びの対象を明確にしてモチベーションをくすぐることが有効です。
 そこで、生命情報工学科では、「生命情報工学」がどういう研究分野なのかを具体的に示すために、入学年次と2年目に各教員がそれぞれの研究成果を紹介するオムニバス形式の講義(「生命情報工学総論」「生命情報工学講究I」)を用意しています。これにより、生命情報工学分野の最先端の研究に取り組むためには、基礎学力として何を身につけるべきかを初年度から意識付け、意欲的な学生生活を過ごすきっかけを与えています。
 特に、生命情報工学分野の専門科目を習得する上でもっとも重要になる「数学」の必要性を徹底的に説き、学科基礎科目として用意された多くの数学関連講義や演習への学習意欲を向上させるべく工夫しています。
 さらには、生命情報工学が、情報・通信工学の基盤技術を生物学に応用する分野であることを繰り返し教示し、「プログラミング」「情報ネットワーク」「情報理論」などの情報・通信分野の専門科目への興味を喚起し、学生諸君がエンジニアとしての将来像を具体的に描けるよう指導しています。



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